高い箇所に取り付けられたトゥールビヨンは、時計回りに5分で1回転する。一方のトゥールビヨンは反時計回りに、10分で1回転だ。3分20秒ごと、1時間に18回ふたつのトゥールビヨンはすれ違い、また逆方向へと進んでいくのだ。トゥールビヨンであるため、キャリッジも60秒で1回転している。キャリッジのようなパーツが増えると負荷がかかり、安定的な駆動が途端に難しくなるものだが、ルイ・モネは軽量化によって、キャリッジの重量を0.25gに抑えた。また、ふたつの香箱によって、トゥールビヨンにエネルギーが供給されている。さらに、一定の回転速度のために、バランスウェイトをあしらうという工夫を凝らしている。
厚みが取られたボックス型のサファイアクリスタル風防が採用されているため、サイドからもこのユニークな機構を楽しめる。本作がデザインにおいても秀でていることがよく分かるディテールと言える。
ラグが中空となっているため、正面のみならず、ケースサイドからもボックス型サファイアクリスタル風防を通して、ふたつのトゥールビヨンの動きを垣間見ることができる。インナーベゼルはこの風防の上部に取り付けられた。力強い時分針や、奥行きのある文字盤によってメリハリが効いており、複雑機構でありながら判読性が高い。
ルイ・モネ アストロネフ
リュウズの主ゼンマイ巻き上げと時刻調整機能を切り替えるファンクションキーが見える。なお、本作のリュウズは引き出すことができない。
裏蓋側からの意匠も興味深い。ふたつの香箱やコート・ド・ジュネーブ装飾が施されたブリッジがのぞく他、さらにファンクションキーが設けられている。このファンクションキーは、リュウズによる主ゼンマイ巻き上げと時刻調整の機能切り替え装置だ。
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